膠原病とは?
免疫機能の異常により全身の臓器に慢性的な炎症を引き起こす疾患の総称です。
自分の身体を守るはずの免疫力が、実際には自身の臓器に対して異常な免疫反応を示すことで、さまざまな症状が現れます。このため、「自己免疫疾患」とも呼ばれます。
当院での取り組み
当院では、膠原病および関連疾患の診療に力を入れています。具体的には、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、強皮症、混合性結合組織病、多発性/皮膚筋炎、血管炎症候群などの膠原病をはじめ、シェーグレン症候群、ベーチェット病、成人型スチル病、リウマチ性多発筋痛症といった類縁疾患、さらには気管支喘息や好酸球増多症などのアレルギー疾患の診療に対応しています。
膠原病に含まれる病気
全身性エリテマトーデス
全身性エリテマトーデスや合併するループス腎炎などをエンドキサン®、プログラフ®、セルセプト®、ブレディニン®、プラケニル®などの免疫抑制剤の内服治療でベンリスタ®やサフネロー®などの生物学的製剤(BIO)を併用し積極的に治療しています。多臓器にわたる合併症を診察していくなかで、『ステロイドの使用は最小限に留めたい』という基本的な治療方針があります。
患者さまの希望と病状によって、漢方専門医と相談しながら保険診療による漢方治療で、低容量のステロイドで疾患の寛解を維持します。
全身性エリテマトーデスは、難病医療費等の助成の対象疾患ですので臨床調査個人票を提出することにより助成が得られる場合があります。
皮膚筋炎・多発性筋炎
多発性筋炎/皮膚筋炎やそれに合併する間質性肺炎などにはエンドキサン®、プログラフ®などの内服治療を実施しています。
治療経過は、胸部レントゲン、胸部CT、呼吸機能検査、心エコー、採血検査などで丁寧にフォローアップしていきます。 他の膠原病と同様に、ステロイドの使用は最小限にとどめたいという基本的な治療方針のもと、患者さまの希望と病状によって保険診療による漢方治療を併用して低用量ステロイドで疾患の寛解を維持します。
多発性筋炎/皮膚筋炎は、難病医療費等の助成の対象疾患ですので臨床調査個人票を提出することにより助成が得られる場合があります。
シェーグレン症候群
ドライアイ、ドライマウスを主な症状とするシェーグレン症候群は他の膠原病などに合併することが知られています。
ドライアイ、ドライマウスなどの程度を検査して、唾液腺、耳下腺などの分泌能力を唾液腺シンチなどで測定することにより確定診断に結びつけます。
乾燥症状に対しては対症的に人工涙液の点眼や人工唾液の噴霧、サラジェン®などの内服、プログラフ®、ブレディニン®などの免疫抑制剤が有効なこともあります。
シェーグレン症候群は、難病医療費等の助成の対象疾患ですので臨床調査個人票を提出することにより助成が得られる場合があります。
強皮症
強皮症は手指の皮膚がこわばり、腫脹した後に硬くなっていく免疫の病気です。
レイノー現象や指尖潰瘍などが出現したり、肺高血圧、間質性肺炎などの合併を認めることがあります。
丁寧に全身の精密検査をすることが大切で、診断した合併症に対して丁寧に治療をします。
指先の血流障害に対しては、血管拡張薬や抗血小板薬などの投与を行い、肺高血圧には循環器専門医と協力してトラクリア®、ヴォリブリス®、アドシルカ®などの薬剤の投与を検討します。
強皮症は、難病医療費等の助成の対象疾患ですので臨床調査個人票を提出することにより助成が得られる場合があります。
混合性結合組織病
全身性エリテマトーデス、多発性筋炎、全身性強皮症の3疾患の特徴を合わせもつ疾患です。他の膠原病と同じく30から50才代の女性に多くレイノー現象、多発関節炎、肺高血圧などが特徴的な症状で採血では抗U1-RNP抗体が高値なのが特徴です。
治療は合併する疾患の症状、合併症に応じてステロイドや免疫抑制剤などが有効のことが多いのですが確定診断のためには専門医へ早めの受診することが大切です。他の膠原病と同様に難病医療費等の助成の対象疾患ですので臨床調査個人票を提出することにより助成が得られる場合があります。
複数の疾患が同時に完全に満たす場合を重複症候群(overlap syndrome)といいます。
事前にご記入いただくとスムーズです。